淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
「……ずるい」
「…知ってる」
この会話何回しただろうね?
結局私は悠雅に勝てない
いつも私だけがドキドキしてる
だから思い切って自分の唇を押し付けるの
そしたら驚いた悠雅が見れるから
「澪?」
「…私だって二人の時間もっと欲しいよ?
でも産まれてくる子供は悠雅と私の血が繋がってるって思うと……」
なんて言ったらいいんだろう
結婚指輪とかそんなものよりも嬉しい気がする
だって大好きな人との間に産まれた子供だよ?
指輪より嬉しいなんて悠雅には絶対に言わないけどね
「子供は好きじゃねぇー」
「………」
「けど…
お前との子供なら別だ」
その言葉を聞いた瞬間、私は悠雅の首に腕を回し勢いよく抱きついていた
「大好き」
「……反則」
いつぶりだろう
こんなに悠雅とゆっくり過ごせるのは
幸せなピンクの空気の中、残り少ない2人きりの時間を堪能していた私の耳に
「みっちゃん大丈夫か~」
「澪ちゃん!相楽の写真やばくない!?」
「病院内では静かにと何回言えば…」
聞き飽きた声が聞こえ、お決まりの展開になつてしまった
「…チッ」
心底不快そうに激しく舌打ちした悠雅は私の上から動こうとはせず
「うっわ、明るいうちから盛るな〜
我が総長は」
「元総長でしょ」
「俺の中ではずっと総長なの」
「それは僕も同じだけど?」
「だから2人とも声のボリュームを抑えてください…」
赤面してしまったのは言うまでもない…