淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
「お前に話がある」
そう言われた時はシュークリームの最後の一口を運んでいる時だった
「ん?」
そのままスプーンを止めることなく口に入れて頬張る
そのせいで…
「式を挙げるのは、子供が産まれてからにするぞ。」
「…んっ!…ごほっ」
むせてしまった…
「澪ちゃん!?」
「あーあ、だっせぇーなー」
心配してくれる海に「大丈夫よ」と伝え、鼻で笑う相楽をキッと睨む
そして最後に悠雅の方を向いて
「式ならいつでもいい。愛なんてとっくの昔に誓ってる。」
そう言うと
「上等だ」
ふっと微笑まれた
「澪さん、悠雅」
いままで黙っていた蒼の声がいきなり聞こえる
「なに?蒼」
「澪さんが妊娠していると聞いた時、海と相楽が騒いでいた事を…」
「「うわぁぁぁぁ」」
……え、なに?
さっきまで食べてたシュークリームを放り出して慌てる2人
それを無視して蒼は続ける
「子供が産まれたら、なんと言う名にするのかと…」
「……は?」
「「………」」
なんと言う名?
名前?
唖然とする私の横で深くため息をつく悠雅
「あの…皆…
気が早くないかしら?」
ウェディングドレスといい子供の名前といい
気が早すぎない?
ウェディングドレスに至っては、妊娠したことにより着る機会がまた先延ばしになっちゃったしね
「でもさー、普通楽しみなんじゃねーの?」
「もちろん楽しみよ?」
当たり前じゃない
大好きな人との子供が産まれるのに
「ちっげぇー!!
だからぁー
男なら○○君とか
女なら○○○ちゃんとか
考えるのって女からしたら楽しみだってどっかで読んだ気がするんだけど…」
「…相楽が澪ちゃんに変なとこ説教してる」
「一体どんな本を読んでいたんでしょうね?」
……名前…かぁ
「そこ2人!聞こえてるぞ!」
……そういえば考えたことなかったな…