淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
「“天童”は澪の母親の旧姓だ。
母方の実家が天童組で、アイツが組を継ぐ前は正統派だったらしい。」
……初めて知らされる事実は全て驚きを隠せないものばかり
みっちゃんがあんなにしつこく狙われていたのは、天童組が碓氷組の敵対してる組だからって理由だけじゃなかったんだな…
「アイツが天童組を悪い方へ変えた
澪は兄貴から逃げるために奏さんのアパートに転がり込んだらしい。」
……よかったな
奏さんの所に来てくれた数年前の澪ちゃんに感謝する
「でも……」
そこで悠雅は言葉を濁す
「「?」」
「澪が天童組の一員に見つかった時、俺が直接助けたのが悪かった」
………
「俺が助けた噂は秒でアイツの耳に入った
だから澪の居場所がばれたんだ。」
「それは悠雅のせいじゃねぇーだろ。
どっちみち、その天童組の一員とやらにバラされてたって。」
「そーかもな。
でも、俺が直接助けたとなれば話は別だ。」
……確かにな
黒凪と呼ばれ恐れられていた黒澪総長がそんな派手な真似をしてまで助けたとなれば
天童組はもちろん
他の敵対している組にとっては絶好の獲物となる
「もうすべて終わったことだ。
でも澪は、そんな残虐な兄との関係をお前らに知られたくなかったんだよ。」
「「………」」