淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
ぷくーっと頬を膨らまして俺を見上げる優香に愛しさがこみ上げる
俺が今、あのふたりを見ても嫉妬しないのはコイツがいるから
「あれあれー?相楽何にやけてんのー?
優香ちゃんのこと穴があくほど見ちゃって」
「……うるせぇーよ」
「え…なに…
デキてんの?」
「関係ねぇーじゃん」
「うそぉーー!?ほんとに!?」
あーあ、1番バレたくない奴にバラしちゃったよ
「いつから!?」
「……」
隣で興奮している海をよそ目に無視を決め込むと
「最近だよ!
相楽、やっとOKしてくれたの」
「ちょ…優香」
頬を染めた優香が答えやがった
「あー、ふーん」
それを聞いて意味あり気な笑みを向けてきた海
「…はぁ」
コイツは知っている
俺がみっちゃんのことを好きだった事も
ずっとずっと諦めきれずに引きずってきたことも
「……良かったねー?相楽」
「…はいはい」
これから散々からかわれるだろうなと覚悟した俺は、軽くため息をついた
「今日はダブルでおめでたいなー」
何気なく、悲しそうに海が呟く
その視線の先にはみっちゃんと悠雅
そして天使の様な双子
「僕も早く大切な人、見つけないとねー」
「…海」