淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
服の下に侵入してきた大きな手にビリッと身体が反応し
「…んっ」
自分とは思えないほどの甘い声が漏れる
「ちょ、悠雅!?」
額や頬、耳や鼻にキスを落としながら服の中の手は段々上にあがってくる
もうすぐで胸に当たってしまう!
緊張と恥ずかしさでギュッと目を閉じた時
「外れたぞ」
「…へ?」
落ち着いた声が聞こえ、目の前の影がゆっくりと離れていく気がした
「後ろ、外れなかったんだろ?」
なんのことか一瞬理解出来なくて固まってしまったけど
「へ…変態!」
「知ってる」
「…~~っ!」
服の中で外れたブラが肩からずれ落ちそうになっているのに気づき、一気に顔が熱くなった
「はやく着替えろ
出かけるっつっただろ」
ふっと笑って今度こそ私から離れた悠雅に舌を出した後、急いですぐそばにあったワンピースをズボッと被った
「ちょっと、あんまり動かないで…」
寝ていた双子を起こし、両手で抱えながら家を出る準備をする
でも
「まぁまぁ~」
寝ていたところを起こされあまり機嫌が良くない悠奈は、私の顔にべちゃっと張り付いているし
「ぱぁーぱぁーはー?」
出かけると知って上機嫌な真緒はじっとしていてくれなくて、腕で抱えるのが大変
おかげで私はやっと扉から出たと言うのに、鍵を閉めれないでいた
「ぱぱは車の所行ってるよ、だから大人しくしててね?」
さっき、悠雅が蒼に出かけることを電話で伝えた時
『自分が運転します』
そう言ってくれたけど、悠雅が今日は自分で運転すると断っていた
「ぱぱ、車、動かすのー?」
「そうよ。
すっごくかっこいいから楽しみだね」
…どんな時でもかっこいいんだけどね
「お前は昼間から襲われたいのか?」
「悠雅!?
車出しに行ったんじゃ…」
「お前が遅いから戻ってきた。」
「ご…ごめん」
「真緒、こっち来い。
澪、1人で出来ない時は連絡しろ
すぐに来るから」
「…っ」
くしゃっと頭を撫でられ、愛しさが溢れる
「ぱぱぁー!」
「おい…お前いきなり飛びつくなよ」
文句を言いながらも困ったように、幸せそうに笑う悠雅
あぁ…好きだなぁ…