淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
あまりの痛みに声さえ出ない
「ふっ
その目はなんだ?まだ分からないか。そーかそーか」
─────────ガッッッ
痛い?
そんなの感じない
魂が抜けかけてるのかしら
自分の身体じゃないみたい
まるで他人事
「もっと痛がれよ
苦しめよ!
叫べよ!
泣けよ!
喚けよっっ!」
ガンッッ
ゴッッ
バキッ
ベッドに倒れたままの私に馬乗りになり狂ったように殴り続ける興
……そんなに私を痛めつけてたのしい?
…何を求めてるの?
…それで満足してるの?
ぼやける視界に映った興の目はほんの少しだけだけど悲しみの色が滲んでいて
抵抗しようにも出来なかったけど、気力さえも失った
意識を飛ばす寸前
頭に浮かんだのは
『……澪』
愛しい貴方の顔だった