淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
「っっ!!!!
失礼しやす!!
今報告が入りやした!!
緊急事態っす!」
「なに?」
黒澪の下っ端さんとは比べられないくらいチャラくて馬鹿そうな男が入ってくる
殴る手を止めそっちを睨みつける興
「……コホッ」
縄が切れて解放された手で乱れた服を直しフゥーーーっと息を吐き出す
「な…なんでも、大勢の…数えきれない数のバイクと車が、ここから約20km離れた道路でパトカーを巻きながらこっちの方に進んできてるみたいっす!!」
……え……
大勢のバイク…?
それって………
興の片眉がピクリと動く
「………若、どうしやしょう」
「チッ
流石というかなんと言うか
もう来やがった…あの多勢の襲撃を1日で終わらすとは…
まぁいい、こっちにはこの澪ちゃんがいる♪
まだ可愛がりたいところだが…準備だ。
組と劉霞を集めろ
本格的に戦いが始まるぞ…(ニヤリ」
ゾクッ
気持ち悪い笑みを浮かべた興はゆっくりと顔をこちらに向けて
「しばらく眠ってな」
─────────バキャッ
「……うぅっ」
力の限り私のお腹を殴って出て行った