淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
きっと明日には立ち上がれなくなっている
…立てるかもしれないけれど動く元気がないと思う
………なら今しかない?
耳を傾け、足音が聞こえないか確認する
「……うっ…」
身体を持ち上げると酷く痛む
でも諦めるわけにはいかない
……結構低い
窓から下を覗くと地上は案外近かった
「……木…」
それに飛び移れる距離に多く枝分かれしている大木がある
……いける
カーテンをしっかり持ち窓枠に飛び乗る
ズキッと再び痛むお腹
「……悠雅
私もそんなに弱くないわよ?」
フッと無理に微笑むと汗が滲み出てくる
─────────タンッ