淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
「…し…知らねぇ…
知らねぇよ
逆に知ってんならお…教えてくれょ…」
すっかり腰を抜かしている相手は本当のことを言っているようで
「…………」
ダァァァンッッ
悠雅が蹴り飛ばした木製の棚は粉々に砕けて
ボフッ
バフッ
ビリッ
無言で殴りつけるベッドのシーツは見る影もないくらいビリビリになる
「「…………」」
俺達はその異様な光景を、唇を噛んで見ていることしか出来なかった
………だから気づかなかったんだ
数秒前まで迫ってる危険に
真後ろにいる敵の行動に
俺達の欠けている注意力に……
「…………今度こそ
死ね…碓氷……」