淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
<海side>
「ウソ……だろ」
相楽の声がポツリと響く
「お……い
なんで……
なんでだよ!?」
僕にも分からない
目の前の状況が
「ま…て
俺はそんなつもりじゃ…
嘘だろ…」
発砲した瀬織 興本人も愕然としている
「……ふっ
……くっっ……」
とうとう我慢できなくなった僕の口からは嗚咽が漏れ始める
だって……
だって、目の前で赤褐色の液体を流しながら倒れているのは間違えなく僕達の求めていた人で
頭は疑問符とパニックでいっぱいになる
……いや
疑問で埋め尽くして悲しみを作らないように、脳が勝手にそうしていたのかもしれない