嘘つきの恋煩い
いつも通り授業を受けて、いよいよ放課後になった。
初めての部活である。
緊張に胸が張り裂けそうになる。

拒絶されたらどうしよう。

部室の前で私は立ち尽くした。
涙がうっすら目に滲む。
やっぱり無理だ、どうせあの噂も伝わってるだろう。
受け入れてくれるはずなんて、無い。

部室を前に踵を返しかけた、その時後ろから肩を掴まれた。


突然の事に身体が硬直する。
料理研究会の誰かに見つかったのか。
すると聞こえてきた声は予想通りで予想を大きく外れていた。

「料理研究会へようこそ」

予想通りだったのは、肩を掴んでいる手の持ち主が料理研究会の人だということ。
予想外だったのは、それが男子の声だったことである。

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