嘘つきの恋煩い
私は結局部室の中に連れこまれた。
肩を掴んだ人の正体は料理研究会の部員で、2年生の先輩だった。
ズレた眼鏡を直しながらこっちをしげしげと眺めている。
ものすごく居心地が悪かった。
「あの、他の部員は‥」
沈黙に耐えきれず話しかけると、先輩は満面の笑みを浮かべた。
「やっと話してくれた。俺は裕司、有村裕司。ゆーじって呼んでくれていいからな!今田美紗ちゃん?」
「あ‥‥」
予想していたことではあった。
高校生なんて噂が大好きな生き物だ。
先輩に噂が伝わってるのは当然と言っても過言では無かった。
「部員は美紗ちゃんと俺だけ。
他の部員は来ないよ、名前だけ置いてる帰宅部だから」
放心状態の私の肩に先輩は手を置いた。
名前だけの部活なんだ、じゃあ私もそうしようかな。
「えっと‥私も‥」
「駄目」
頭を軽く叩かれた、これが初対面の人にするスキンシップなのか。
なかなか馴れ馴れしい先輩だ。
同世代の男の人に免疫が無い私はいまだに彼の目を見られなかった。
肩を掴んだ人の正体は料理研究会の部員で、2年生の先輩だった。
ズレた眼鏡を直しながらこっちをしげしげと眺めている。
ものすごく居心地が悪かった。
「あの、他の部員は‥」
沈黙に耐えきれず話しかけると、先輩は満面の笑みを浮かべた。
「やっと話してくれた。俺は裕司、有村裕司。ゆーじって呼んでくれていいからな!今田美紗ちゃん?」
「あ‥‥」
予想していたことではあった。
高校生なんて噂が大好きな生き物だ。
先輩に噂が伝わってるのは当然と言っても過言では無かった。
「部員は美紗ちゃんと俺だけ。
他の部員は来ないよ、名前だけ置いてる帰宅部だから」
放心状態の私の肩に先輩は手を置いた。
名前だけの部活なんだ、じゃあ私もそうしようかな。
「えっと‥私も‥」
「駄目」
頭を軽く叩かれた、これが初対面の人にするスキンシップなのか。
なかなか馴れ馴れしい先輩だ。
同世代の男の人に免疫が無い私はいまだに彼の目を見られなかった。