読書の秋と恋の秋
なぜか、森山くんは私について来る。

「家に帰んないの?」

「俺んちもこっちなんだけど。そんなに俺に行ってほしい?」

「別に。」


家が見えてくると、森山くんはなぜかうちの向かい側の家に入ってく。

「うちら、近所に住んでたんだね。知らなかったよ。ここ、17年住んでるのに。」

「お前さ、いつも家にいるし外に来ないじゃん。それに、俺、ここには中学ん時に引っ越ししてきたんだよね、夏休み中に。だから、お前がどっか旅行にいってるときに俺が来たわけ。で、俺サッカー部だから朝練もあるし。なぜかお互い家近いのに会わなかったんだよね。」

「確かにあり得るね。すれ違いばっかでお向かいさんなのに会わないなんて、N極とS極みたい。」

「だね。ま、また明日!」

「またね。」

あーびっくりした!

あの、笑顔にめっちゃドキドキした。

森山くん、モテるんだよね。
彼女いるのかなー
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