蜜愛フラストレーション
ぱちぱちと瞬きを繰り返しながら暫し呆然とする。寝耳に水の状況にあって、ついに頭は正常に機能しなくなった。
眩い輝きを放つ物をぼんやり捉える私が答えに窮していると、無情にも時間だけが過ぎていく。
「……大丈夫?」
そんな空気の中で、口火を切ったのは優斗だ。惚けたままいる私の顔を覗き込み、おずおずと話し掛けてきた。
視界に彼が入った瞬間、ハッと我に返る。少しだけ落ち着いた私は、そこでコクンと頷いてみせた。
その時になって、目の前の彼がいつになく緊張した面持ちでこちらを窺っていたことに気づかされる。
ただの告白じゃないよね……?ほぼプロポーズって考えていいんだよね……?
こんな疑問符が頭の中を駆け巡っている今、優斗を気遣うことはおろか、とても平静を装えない。
「大丈夫じゃ、ないな」
「う、ん……大丈夫じゃない、かもぉ」
困ったような声で言われ、脳内パニックの私の視界はまた揺らぎ始める。
瞳から零れ落ちた大粒の涙は頬を濡らし、たどたどしい口調に変わってしまう。
「急に言われても困るよな。だから返事は今すぐじゃなくていい。萌次第で、」