嵐の夜に。【短編】
「宮下、こっち来い」
「あ、はい」
教室とは違う方へ行くので、どこへ行くのだろうと思いながら、
先生について廊下を進む。
たどり着いたのは、2階にある図書室の隣、準備室だった。
締めきっていた部屋の中は暖かく、濡れて肌寒くなっていたのでホッとした。
「どうしてここに?」
初めて入る場所でキョロキョロしてしまう。
本棚が壁一面にあって、
本なのか資料なのかわからないけど、何やらぎっしり詰まっている。
その一角には先生のデスクがあり、反対側にはテーブルとソファのセットがあった。
「私は司書教諭だから、ここは私の部屋も同然なんだ。タオルとかおいてるから……ほら」
と先生がブルーのフェイスタオルを渡してきた。
ありがたく使わせていただく。
先生も拭くと、隣の図書室へ繋がる扉を開けた。