嵐の夜に。【短編】
幼いころ、絵本や童話はさすがに読んでたけど、
小学校くらいから漫画以外の本を全く読んでなかったから、まさにこのレベルから始めるべきなのか……。
そんな自分にずーんと落ち込む。
「うん、児童書だよ。でも、児童書って意外と簡単な本ではないし、大人が読んでも面白い。
この作家さんは児童書を文芸から出しなおしたりもしてるくらいだ」
「そうなんですか? それなら読んでみます」
小学生レベル扱いされたわけではないのか、と気分が浮上する。
我ながら単純だ。
パラパラとめくってみると、文字は大きめだけど、思ったよりも詰まってる。
確かに、これは易しい本とは言えないかもしれない。
先生と閲覧室で向かいあって座り、本を読んだ。
先生に渡された児童書は読みだすと面白くて、その世界に一気に惹きこまれた。
「はあ~面白かった」