嵐の夜に。【短編】
わたし、先生のことが好きなのかな。
なんで先生のことを、と何度も思う。
わたしはもっとストレートに感情を表現する男が好きで、
枝野先生みたいにポーカーフェイスな男の人はタイプじゃない。
だけど、なぜか笑っていた先生の姿が頭から離れないんだ。
普段、表に出さないだけで、隠された表情がいろいろとあるのかなと思うと、見てみたくなる。
わたしに見せてほしい。
次の図書室の日。
わたしは朝からの部活を終えると、またしても図書室へ向かった。
裕子をはじめ、女子バスケ部のメンバーにはお昼を食べて帰ろうって誘われたけど、
一昨日と今日と断って学校に残っているので、少し変な顔をされた。
「図書室に行くなんて、変なものでも食べた?」
なんて言ってくるし、失礼なんだから!
ガラッと音をたてて勢いよく扉を開けると、図書委員の人が冷ややかな目を向けてきた。