嵐の夜に。【短編】

わたし、先生のことが好きなのかな。



なんで先生のことを、と何度も思う。


わたしはもっとストレートに感情を表現する男が好きで、

枝野先生みたいにポーカーフェイスな男の人はタイプじゃない。



だけど、なぜか笑っていた先生の姿が頭から離れないんだ。



普段、表に出さないだけで、隠された表情がいろいろとあるのかなと思うと、見てみたくなる。


わたしに見せてほしい。





次の図書室の日。


わたしは朝からの部活を終えると、またしても図書室へ向かった。



裕子をはじめ、女子バスケ部のメンバーにはお昼を食べて帰ろうって誘われたけど、

一昨日と今日と断って学校に残っているので、少し変な顔をされた。



「図書室に行くなんて、変なものでも食べた?」


なんて言ってくるし、失礼なんだから!



ガラッと音をたてて勢いよく扉を開けると、図書委員の人が冷ややかな目を向けてきた。

< 23 / 51 >

この作品をシェア

pagetop