嵐の夜に。【短編】
え。
わたし、そんなにおかしいこと言ってる!?
「宮下の言うことにも一理ある。
作者の意図は宮下の言う通りかもしれないし、読書感想文なら花丸をあげているだろう」
「だったら……」
「しかし、国語のテストというのは正解を一つにしなくちゃいけない。
ここでは、怒りの描写があるので、怒っているが正解ということになる」
「つまり、わたしは深読みしすぎってこと?」
「そうとも言える」
「そんな~…」
それって考えすぎて損してるってことなの?
「だが、宮下の想像力も大事だ。
テストの点を考えるとダメかもしれないが、私はそういう想像力をもっと伸ばしてほしいと思う」
先生はわたしの頭をぽんっと軽くなでた。