嵐の夜に。【短編】
先生の読んでた本を借りたことなんて、とっくにバレていたってことだよね。
先生はクスリと笑って立ち上がった。
「頑張って読めよ」
頭にぽんっと手を置いて、軽くなでるようなしぐさをすると、
先生は準備室の方へ向かった。
わたしはさっき先生が触れた頭に手をやった。
他の男子にされたらドン引きする気がするのに、先生がしたら胸がきゅっとなって嬉しい。
わたし、やっぱり先生を好きなんだな、
と改めて自分の気持ちを確認した。