嵐の夜に。【短編】
メガネ越しにまっすぐにこちらを見る目。
わたしはそらさずにその目を見た。
「読んでみます」
と意気込んで、家に帰るなり、宿題の追い込みもそっちのけで読みだしたはいいけど、
相変わらず、なんて書いてるかすら難しい。
だけど、漫画を読んで話を知っているおかげで、前よりは理解できてると思う。
たった3冊とはいえ、小さな文字に薄い紙で意外と文章が多い。
夏休みの宿題や補習の宿題、バスケ部の部活もあるので中々読み終わらないけれど、
ゆっくりと読み進めていく。
どうしてもよくわからないときは、図書室で先生に訊いたりもした。
そうして。
2学期に入ってしばらくした頃、ようやく最後まで読み終えた。