嵐の夜に。【短編】
思い切って準備室も覗いたけど、そちらも無人だった。
よく考えたら、図書委員の活動がお休みなら、当然、図書室もお休みということなんだ。
それなのに、どうしてここに来たら先生に会えるって決めつけてたんだろう。
先生だって、放課後に図書室以外の用事もあるだろう。
だけど。
「待ってたら、戻ってくるかな」
鍵は開いてた。
施錠しに来るはず。
普段、ここの鍵をかけているのか知らないけども、開けっ放しだと勝手に本を持っていく人もいるだろう。
鍵はかけているんじゃないだろうか。
わたしは図書室の窓を開けて、手を外に伸ばした。