嵐の夜に。【短編】
そんなことする先生に思えず、びっくりして固まってしまった。
「宮下の場合は、漢字問題などで取りこぼしがないようにしっかり勉強する方がいいかもな」
先生に渡されたプリントに目を通す。
たくさん漢字やひらがなが並んでいる。
「辞書を使って構わないから、漢字には読みを、読みには漢字を書いて、それらの漢字を100回ずつ書くこと」
「100回!」
「宮下のことだ。そのくらいしなきゃ覚えないだろう」
「はい~…」
自分でもそうかもと思う。
仕方ない……。
「今すぐやれってわけじゃない。夏休み中にやって休み明けに提出すること」
「わかりました」
と答えながらも、夏休みの宿題が増えてしまったことにげんなりした。