嵐の夜に。【短編】

「はい」


「じゃあ、お母さんに連絡してくれ。私も準備室から職員室に詰めてる先生に連絡するから。

今日は何かあった時のために、私をはじめ、男性教師が何人か学校に泊まり込み予定で残ってるんだ」


「わかりました」



先生は早速準備室へ行くと、電話を始めた。


「枝野です。宮下さん見つかりました。図書室で寝てしまっていました。ええ、ええ……はい」


つい先生の声を聞いてしまっていたけど、はっとした。


わたしも電話しなきゃ!



携帯をかばんから取り出すと、33件も不在通知と20件くらいのメールが来ていた。



やばい……これ、絶対に怒ってるよね。


学校にいる間はマナーモードにしているため、着信に全く気付かなかったよ。



こわごわと電話すると、案の定、20分も怒られてしまった。


しかも、最後には心配したんだからと……電話の向こうで母親が泣きだしてしまい、とても焦った。


親を泣かすなんて初めてだよ……。

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