嵐の夜に。【短編】
電話を切って、ため息をついた。
「終わったか」
「はい」
見ると、先生がこっちの部屋に戻ってきていた。
「今日はどうする? 教室や職員室にいてもすることないだろうし、私がついているならこのまま図書室にいてもいいそうだ。
こんな天候で何があるかわからないから、必ず教師と一緒で一人になるなということだ。
女性教師はいないので申し訳ないんだが……」
「いえ、元はといえば、帰らなかったわたしが悪いんですから仕方ないです。でも、そうですね……」
言葉を切って、あたりを見まわした。
「職員室だとちょっと居心地悪い気がします。
この前の反省があるので、今日は体育館でバスケってわけにもいきませんし、やっぱり読むもののあるここの方がいいですね」
先生はくすっと笑った。