嵐の夜に。【短編】
振り返って先生を仰ぎ見ると、思ったより近くて戸惑った。
後ろは窓で下がれない。
「ああ、都合悪いか?」
「そんなことないですけど…あ、そうだ!」
わたしはぽんっと手を打った。
「先生、体育館行きません?」
「……体育館?」
先生の眉が寄った。
いかにもインテリっぽい先生だし、運動が苦手なのかなと思ったけど、気にしないことにした。
「わたし、バスケ部なんです。体を動かしてたらあっという間に時間すぎますよ」
「まあ、たまにはいいか」
こうして、二人で並んで体育館に向かった。