嵐の夜に。【短編】
「あ、ああ……」
先生が脱いでる間に、わたしは用具入れまで走って、バスケットボールを一つ持ってきた。
「先生、はい!」
ドリブルをして、先生にパスする。
先生は慌てた様子で受け取った。
「1on1でもしましょ。先にゴール入れた方が勝ちです」
ゴールを指さしながら言った。
先生はため息をつくと、ドリブルを始めた。
「……仕方ないな」
「えっ」
先生のドリブルは速くて、油断していたわたしはあっという間に抜かれる。
「うまいなんて、反則……!」
慌てて追いかけ、先生の前に立ちふさがった。