bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
私が倒れてからもう2週間が経ち、あの日から
「もう皆に迷惑とか心配なんて、かけれない」
神部君たちにそう宣言して、健康管理には十分すぎるほど気を遣っていた。
そのせいか、いつも以上に体調は良い。
昨日は金曜日。
本郷主任と神部君は、ラーメンを食べに行くと言って帰った。
私も誘われたんだけど、どうしても終わらせたい仕事があったので断って残業していた。
フロアに残っていた社員が1人、また1人と少なくなっていく。
結局、22時近くになって残っていたのは私と唯野主任の二人だけになってしまった。
どうにか帰れる目処がついて、帰宅準備をしていたら、唯野主任も同じようなタイミングでパソコンをシャットダウンしている。
「安藤さん、もう帰るの?」
そういつものように優しく微笑まれた。
「はい」
「それなら、一緒にご飯食べない?直ぐそこに美味しいパスタのお店見つけたんだ」