bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「ひかり、好きだよ」
連れて行かれた唯野主任のマンションで、身体を重ねながら、何度も耳元で囁かれた言葉。
いつも穏やかで、優しい雰囲気の唯野主任は、自分の欲求の全てを一方的に私にぶつけるかのように荒々しく私を抱いた。
私は唯野主任の腕の中で何度も意識を手放した。
昨夜の出来事を思い出しながら、もう一度ため息をついた。
鉛のように重たい身体をどうにか起こして、ちりばめられていた服を探していると、私の左腕を唯野主任の大きな手が捕らえる。
「・・・おはようございます」
「んっ?おはよう」
昨日の情事が思い出されて、それ以上私は会話をすることができない。
「昨日のこと、覚えてる?」
ごそごそと唯野主任がベッドから出てきて大きく背伸びをする姿を横目に、私は小さく頷く。
思い出せば思い出す程私の顔は赤く染まっていくのが自分でも分かる。
「8つも年下の彼女かぁ」
唯野主任の発した独り言に私は頭が真っ白になってしまった。