bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「ええっ!!!どういうことですか?」
「付き合おうって言ったじゃん。昨日・・・」
「それじゃ、私、唯野主任の彼女ってことですか?」
唯野主任は私を見て、おかしそうに笑いを堪えている。
「付き合うって、そういうことじゃないの?」
「いや、なんか想像していたことと違って・・・」
「想像?」
そう言いながら唯野主任は何かを理解したかのような顔をして苦笑いしている。
「私の想像は、唯野主任って、奥手っていうか、キスとかこんなこととか、付き合ってから徐々にって感じだと思ってたし。」
「それに、唯野主任が私を好きとか、付き合うとか、考えたこともなくて・・・」
そんなことを1人しどろもどろに喋っていたら、急に唯野主任は近づいてきて、私を抱きしめた。
「ひかりの想像はそこでおしまい。俺も男だから」
抱きしめられた腕の中で、いつもよりもずっと低いトーンでいつもの優しい唯野主任からは想像も出来ない程の冷たく言われた。
その言葉に私も口を噤む。