bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-

 

「俺たちが、付き合ってること、2人だけの秘密にしよう」

「どうしてですか?」



帰り際、唯野主任がいつもの優しい笑顔で放ったその一言に私は戸惑った。


「どうしてって、同じ部署なんだから、仕事しづらいでしょ」




妙な説得力に押されて私はその意見に頷いた。


それが「社内恋愛」なんだと、社内恋愛初体験の私は納得してしまう



「わかりました。」

そう笑顔で答えると、唯野主任は大きな手で頭を優しく撫でてくれる。


その暖かな手が私に安心感を与えてくれる。

 

 

この人、やっぱり結婚したらイクメンになりそう。

結婚したらいい旦那様になりそう。

 


最近、母親からの結婚をせかすような電話のせいなのか、私の頭は、早くも唯野主任との結婚後の生活について想像しては頬が緩んでしまった。

 
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