bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-

夕方、もうすぐ18時になるという頃、ようやく自席に戻ってきた私は、給湯室からもってきたコーヒーを一口飲んで大きく息を吐いた。



今日は思ったよりも取材に時間がかかってしまって、今から取材内容をまとめるには残業は避けられそうにない。



取材前までは怒りだけの感情だったのに、仕事に集中していたせいかようやくその怒りの炎はいくらか治まったように思える。



ふとエリカ先輩に言われた

「憧れと好きは違う」

そのことが思い出される。

 


私は唯野主任のこと…

その気持ちは、ただの憧れ?



そもそも、好きってどんな気持ちなんだっけ?

 



そんな永遠に終わりのないような事を考えながら、パソコンとにらめっこしていたら、とっくに18時を過ぎていて残っている社員は1人、また1人と少なくなっている。




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