bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
台風や竜巻なんかが一度に来てしまったような感覚さえ覚えた嵐のような会議が午前中にあったものだから午後からの仕事はなかなか捗らなかった。
そういえば、唯野主任と香奈子先輩は同期だったんだっけ。
そんなことをふと思い出しながら、私は定時まで仕事に集中するように自分に言い聞かせた。
久しぶりに定時に退社出来て、家に帰って、ベッドで寝転んで天井を仰いでみる。
少しウトウトしてしまったけれど、どうしても今日の嵐の会議の事が頭から離れない。
「よっし!!唯野主任に会いに行こう」
最近買ったロングTシャツにジーンズを履いたラフな格好なまま、急いで出かける準備をする。
今から唯野主任の家に行って、終電で帰ってくればいい。
もしかしたら唯野主任が車で家まで送ってくれるかな。
なんてちょっとだけ甘い考えを考えながら、私はニット帽をかぶりながら駅までの道を歩いた。