bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「唯野さん。安藤のこと、本当に好きなんですか??」
思わず大きな声を発した本郷主任の言葉に、その話題の中心が自分のことだということに気付くのにそんなに時間はかからなかった。
「本郷さんも、好きなんでしょ?ひかりのこと。」
唯野主任は冷たく見下すように、そして勝ち誇ったように笑いながら言い放つ。
その質問に本郷主任は何も答えず、そして自販機の明かりだけでは、そのかすかな表情の変化をみることは難しかった。
「前から思ってましたけど、好きでもないのに、甘い言葉かけて、付き合ったり、安藤のこと傷つけないでもらえますか?」
「なんだそれ。本郷さん、それは俺たちの問題であって。業務とは無関係でしょう。」
冷静に返答する唯野主任に、本郷主任はさらに声を大きくする。
不機嫌で、興奮しているのが手に取るように分かる。