bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
わたしは唯野主任の言葉に愕然とした。
それは、なんとなく、そして薄々思っていたことだったけれど。
それでも、言葉として聞くと、そのショックはやっぱり大きい。
身体に思うように力が入らない。
唯野主任の言葉が、ただの音声のように私の中に入ってきているみたいだった。
「ただそれだけですよ。そもそも、もう30も超えて好きだの何だのって、可笑しいでしょ」
ただ、それだけ。
この恋愛は、唯野主任にとって好きだとか、そんな恋愛じゃない。
私はその言葉に胸をえぐられる様だった。