bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-


わたしは唯野主任の言葉に愕然とした。


それは、なんとなく、そして薄々思っていたことだったけれど。

それでも、言葉として聞くと、そのショックはやっぱり大きい。




身体に思うように力が入らない。


唯野主任の言葉が、ただの音声のように私の中に入ってきているみたいだった。



「ただそれだけですよ。そもそも、もう30も超えて好きだの何だのって、可笑しいでしょ」

 


ただ、それだけ。

この恋愛は、唯野主任にとって好きだとか、そんな恋愛じゃない。

 



私はその言葉に胸をえぐられる様だった。


< 154 / 282 >

この作品をシェア

pagetop