bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
木曜日の昼休み。
久しぶりに香奈子先輩と二人きりでランチをすることになり、私は香奈子先輩に謝罪した。
「謝ることなんてないのよ。ひかりは知らなかったんでしょ。もう過去のことだから」
ハハハと明るく笑い飛ばしてくれた香奈子先輩に、心の重荷が少しだけ軽くなった気がした。
「でも、私の方こそごめんね。ちゃんと話していればひかりがこんなに傷つくこともなかったのにね」
香奈子先輩が申し訳なさそうに言うので、私は首を勢いよく横に振って否定して見せた。
「別れる日が来ることは、自分でも覚悟してましたから」
私がそう言って無理やり口角を引き上げて笑ってみせると、心配そうに香奈子先輩は私の瞳を覗き込んだ。