bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-


「立ち直るのには、まだ時間が必要みたいだね。ちゃんと最近食べてる?ひかり、この間みたいにまた倒れないでよ」

 


食欲なんて沸いてこなかったけれど、それでもまた倒れたら今度こそ本郷主任にプロジェクトメンバーから外されるという危機感だけはあって、無理やり食事は摂っていた。




仕事中は忙しさの中で恋愛のことなんて考えることはなかったし、それよりむしろ、忙しい仕事の中でちょっとしたミスで本郷主任にいつものように怒鳴られることがないようにと気を引き締めてピリピリしていた。




けれど、家に帰るとどんなに身体が疲れていたって考えてしまうことが多くて、眠れない日々が続いていた。

 

「食べてますよ。また、本郷主任に怒られるわけにはいきませんから。」



いかにもという笑顔を作って香奈子先輩に見せると、大きくため息をつかれてしまった。

 

 
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