bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
午後7時になる直前、本郷主任は帰り支度を始める。
「おい、残業代発生するから、帰れそうなやつは帰るぞ」
「はい。」
みんなそう言いながらも、キーボードを打つことをやめない。
繁忙期ではない時には、本郷主任はよく7時前になるとこう言って広報チームに声をかける。
「大石さん、ラーメン食べ行きましょう」
本郷主任はお昼に怒られていた大石さんを、何もなかったかのようにラーメンに誘っていた。
「いや、今日は、さっきの書類が完成していませんので。また次回よろしくお願いします」
大石さんがも笑顔で断ると本郷主任は、みんなに少しだけ不機嫌そうにしていた。
「じゃ、広報チームは明日行けるメンバーで飲み行くぞ。その分、今日は死ぬほど頑張って仕事終わらせろよ」
本郷主任がフロアに響く位の声で、みんなに言うから、男性社員が笑いながら返事をするのが、フロアのあちこちで聞こえる。
「じゃ、統括チームも企画チームも行ける人間は参加で。」
女性社員にモテる黙ってさえいればイケメンの本郷主任が、唯野主任より男性社員に人気があるのは、この体育会系のノリのおかげかも知れない。
でも、私はこの体育会系のノリは苦手。
私は、聞こえなかったかのように、パソコンで来月の社内報の企画案の構成を行いながら、素知らぬ顔をしていた。
「おい、残業代発生するから、帰れそうなやつは帰るぞ」
「はい。」
みんなそう言いながらも、キーボードを打つことをやめない。
繁忙期ではない時には、本郷主任はよく7時前になるとこう言って広報チームに声をかける。
「大石さん、ラーメン食べ行きましょう」
本郷主任はお昼に怒られていた大石さんを、何もなかったかのようにラーメンに誘っていた。
「いや、今日は、さっきの書類が完成していませんので。また次回よろしくお願いします」
大石さんがも笑顔で断ると本郷主任は、みんなに少しだけ不機嫌そうにしていた。
「じゃ、広報チームは明日行けるメンバーで飲み行くぞ。その分、今日は死ぬほど頑張って仕事終わらせろよ」
本郷主任がフロアに響く位の声で、みんなに言うから、男性社員が笑いながら返事をするのが、フロアのあちこちで聞こえる。
「じゃ、統括チームも企画チームも行ける人間は参加で。」
女性社員にモテる黙ってさえいればイケメンの本郷主任が、唯野主任より男性社員に人気があるのは、この体育会系のノリのおかげかも知れない。
でも、私はこの体育会系のノリは苦手。
私は、聞こえなかったかのように、パソコンで来月の社内報の企画案の構成を行いながら、素知らぬ顔をしていた。