bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-

「なるほどねぇ」



相談し終える頃にはもうデザートのプリンを食べ終えるところだった。


一足先に食べ終えた香奈子先輩が食後のホットコーヒーを一口啜りながら、そう呟いた。



少しだけ口元がにやけたように見えたのは私の気のせいかも知れない。





「明後日から、現地入りなのに気味が悪くて、仕事にも集中できないっていうか…」



私が一連の出来事を話し終えて大きくため息をつく。


そんな私を目の前にしてやれやれといった表情を見せたかと思うと、香奈子先輩は優しい笑顔を見せた。



その笑顔はなんだかとても意味深で、その真意を私は汲み取ることが出来ないでいた。

< 212 / 282 >

この作品をシェア

pagetop