bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-

「インターホンの犯人、それストーカーじゃないわよ。」

「えっ?」




我ながら素っ頓狂な声を出してしまったので、香奈子先輩は思わず噴き出した。

笑いのつぼに入ったのか香奈子先輩は、お腹を抱え、目に涙をためながら笑っている。

 



香奈子先輩の言い方、犯人を知っているようだし。

この人、もしかして透視とか出来ちゃったりするんじゃないの?

でも、こんなに笑わなくたって…。

 



少しだけふてくされたような表情をとって見せる私に香奈子先輩は何度か大きく息を吐いて、笑いを止めようとしている。


「あはは、ごめん。ごめん。そんな驚かないでよ。大丈夫よ。朝のインターホンはどこかの心配症の仕業よ」


「犯人には、私から厳重注意しておくから」





そう言ってウインクする香奈子先輩に

 

さすが、裏ボス

 

私は胸の中でこっそり呟いた。
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