bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
翌朝、私は底冷えのする給湯室で、コーヒーミルでコーヒー豆を挽いていた。
昨日インターホンは本郷主任の優しさだったことが分かってなんだか嬉しくて、定時で退社出来たということもあって、いつかのコーヒーショップで店長お勧めのオリジナルブレンドのコーヒー豆を買った。
面と向かってお礼するのもなんだか気恥ずかしくて、こんなことでしか感謝を伝えることが出来ない自分も、本郷主任に負けず劣らず不器用だなとつくづく思い、2人分のコーヒーを淹れながら、1人苦笑いをしてしまった。
もちろん2人分のコーヒーを作ったら、いつもの安いコーヒー粉で作り置き用のコーヒーを作っておいた。