bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
定時の時刻を過ぎると、徐々に社員は帰っていった。
正月休みが明けて2週間ほどしか経っていないので、残業する職員もまばらだ。
結局、あれからパソコン業務は手に付かず、予定していた取材対応を2件こなすと定時になってしまった。
自席につき、コーヒーを一口だけ口にしてパソコンに向かう。
別段残業する必要もない量のパソコン業務が残っていて、いつもなら翌日の始業前の時間を使えば終わることが出来る程の量。
でも残業しようと思ったのは、本郷主任がまだ残っていたから。
本郷主任が本当にこの会社を辞めてしまうのかが気になって、自分も残業してしまっていた。