bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-

「安藤、お前は俺に何か言いたいことがあるのか?」



冷たくて、怒りを含んでいて、不機嫌なのは十分に伝わってくる。




思わず背筋が伸びて、震えあがりそうになった私は黙ったまま俯いた。


何か言葉を紡いでしまったら、言葉だけじゃなくて涙まで出てきそうで、下唇を強く噛みしめた。




今日はもうずっと下唇ばかり噛みしめていて、痛みを通り越して感覚がなくなってしまいそうだ。




2人の間に沈黙の時間が流れる。

 





「なんだよ。言わないと分からないだろう。」

ますます怒られると思っていたが、俯いて黙り込んだままの私に呆れたのか、根負けしたのか本郷主任は大きく息を吐くと、さっきまでの怒りを含んだ声のトーンとは全く異なるぶつくさとした口調で言った。

 


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