bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「なんで、関係あるんだよ…。」
私の涙に気付いたらしい本郷主任は、さっきよりもずっと声のトーンが柔らかくなっている。
「だって…」
もう止められなかった。
涙も、自分の気持ちも。
「だって、好きだから。本郷主任が好きなんです。本郷主任が部下に手を出すつもりがないことも分かってます。それに彼女が出来たことも分かってます。だからせめてこのまま部下で居させてください。」
本郷主任は何も言わず私を見下ろしていた。
「だから、本郷主任には会社…やめて欲しくないです。」
そこまで自分の気持ちを伝えたら、決壊したように涙が溢れてきて、気が付いたら嗚咽を漏らして泣いていた。