bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「1回しか言わないからな。」
ぶつくさとそう言われたから、私は小さく頷いた。
「俺は、ひかりが好きだ。もうずっと前から、ずっと好きだった」
本郷主任のまっすぐな瞳に捉えられる。
「私も、私も本郷主任が…好きです…」
その言葉をどうにか紡ぎだすと私の瞳から涙が溢れてきた。
「さっき、会議室で聞いた」
そう言って、笑う本郷主任に私も涙を流しながら微笑み返す。
本郷主任は私の涙を指ですくい取ると、その整った顔を近づけてきて、唇を重ねてきた。
さっきまで吸っていた煙草のほろ苦い匂いさえも全て甘く感じてしまうほどの甘い甘いキス。
そのキスに私は身体の芯まで溶けだしてきそうだった。
そして、やっと繋がった想いに私は涙が止まらなかった。