bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
二次会は二人きりで
唯野主任の送別会が終わると、会場の入り口付近では、社員それぞれが
「二次会どこ行く?」
と話を始めていた。
いつものように神部君がグデングデンに酔っていて、どこの部署かさえ分からない女子社員が介抱していた。
私も久しぶりのアルコールのせいだろうか、少しだけ足元がフワフワとした感覚に襲われていた。
二次会の話をしている人や神部君の様子を遠巻きに眺めていたら、急に左手首を誰かに掴まれた。
思わずよろけてしまった私を支えてくれた、その掴んだ本人を見上げる。