bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
黒の革張りのソファは見た目以上に柔らかで、座り心地いいものだった。
私にコーヒーを渡し、本郷主任が私の隣にソファーに沈み込むように座ると、さらに胸の鼓動が速くなる。
本郷主任は私に何も聞かなかったのに砂糖とミルクを入れてくれていた。
まだ湯気の出ているコーヒーを一口だけ口に含むと、給湯室の安いコーヒーメーカーとは違い、味に深みがあった。