bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「唯野主任と仕事してみたいんです」
「だって、あんなかっこいいじゃないですか~。あんな人と仕事出来たら、きっとテンション上がって毎日今より2倍ぐらい頑張れます」
本日3杯目のビールを飲み干した安藤は、やはり酔っているようで、言ってしまったらもう後はテンションが上がり、にこにこ笑いながら唯野さんを褒め称えていた。
唯野さんの話をする安藤に胸の奥にしこりを残しながら、
「俺、安藤さん狙ってますから」
そう言った、先日の唯野さんの言葉を思い出した。
安藤は、あくまで部下の一人
2人が付き合って幸せなら
安藤が幸せになるならいい
隣で唯野さんの話をする安藤の横で自分に言い聞かせた。
「へー。お前唯野さんがいいのか。」
そう言って俺は、煙草に火をつけた。
煙草を吸いながら話を変えようと思っていたのだが結局、俺は酔っぱらった神部に捕まってしまい終始腕相撲対決をさせられたのだった。