bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
私は帰宅してベッドに寝転がりながら、TVをつけ流れている日曜深夜のバラエティーを眺めていた。
テレビから流れる笑い声をただただ音としてとらえるばかりで、時間だけが過ぎていた。
あれから、美味しそうなクリームブリュレがテーブルに届いたけれど、味なんて分からなかった。
「それから、安藤。お前、俺が日曜出勤してること周りに言うなよ」
そう言えば帰り際そんなことも言われたけれど、それより
「部下に手をださない」
といった本郷主任の言葉が何度も頭の中を回っている。
その真意なんて分からないけれど、何故か傷ついた私の胸を明日までに修復しないといけない。
そう思いながらも、魂の抜けてしまった身体は重く、ベッドから起き上がることが出来ずにただTVを眺めているだけだった。