bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
アルコールも手伝っているせいかエリカ先輩は唯野主任へのボディタッチが多い。
「エリカ、大丈夫?飲みすぎじゃない?」
「もう、駿介さん!!大丈夫ですって」
そう言って唯野主任の肩に頭を預けているエリカ先輩を横目でみると、幸せそうに笑っていた。
下の名前で呼ぶ関係なんだ・・・
あまり一緒に仕事したことのない2人の関係性なんて今まで気にしたこともなかったけれど、さっきまで唯野主任に繋がれていた左手に妙に感触が残ってしまって、スーッと酔いが醒めて行くのがわかる。
エリカ先輩って、唯野主任のこと・・・
そう思いながら、少しだけぬるくなってしまったビールを少しずつ飲んだ。
「おいっ!!安藤、2次会はカラオケな!!カラオケ行くぞ!!」
神部君と竹之下先輩の3人で恒例の腕相撲対決を終わらせた本郷主任がシャツを整えながら私に声をかけてくれる。
唯野主任とエリカ先輩のやり取りを横目で見て、冷めてしまった気持ちが少しだけ暖かくなる。
「じゃ、今から1部屋予約してきます」
私はその場にいることが忍びなくて、予約をするという理由をつけてその場から離れた。