bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「はぁ」
お盆休みも終わり、活気の戻った昼休みの社食で、うどんをすすりながら、ため息をつく。
「ひかり、疲れてるわね。夏バテ?」
「夏バテじゃないと思うんですけど…。最近忙しくて・・・。前も忙しいって愚痴っていたけど、本当に忙しい時って忙しいって言うことすら時間の無駄な気がして」
そうやって無理やり笑顔を見せると、向かいでがっつりからあげ定職を食べていた香奈子先輩は心配そうに私の顔をのぞいてくる。
「社内報、他の子たちに手伝ってもらいなさい」
「でも・・・」
「こういう時、ヘルプを出すのも、人に手伝ってもらうのも仕事を達成するための手段の1つよ」
私に有無を言わせず、香奈子先輩は微笑んでいた。
その瞳には、強い意志と暖かな優しさが宿っていた。
「それから、」
「それから?」
「最近ひかり食べてる?しっかり食べて、体調管理するのも仕事だからね」
最近、忙しくて朝食を抜いてしまったり、夕食は抜いてしまうことや簡単に済ませることも多かった。
確かにこの前鏡で全身をみたら、もともと凹凸のない身体が、さらに貧相で平たんなものになってしまって、がっかりしてしまったところだった。
「了解です。」
「分かったなら、よろしい」
そう言って、二人で笑い合う。
時にお母さんのように心配してくれる香奈子先輩の優しさが暖かかった。